書店で私は見慣れない雑誌を手に取った。その雑誌は地元地域の風俗情報が掲載されたものだった。
雑誌を飾る表紙は豪華なドレスに身を包んだ女性たちによって煌びやかに彩られている。
大きくカールさせた長い髪は渦巻き状にまとめられており、物欲しそうな大きな瞳にはマスカラが濃く被さっていた。
掲載されていた所謂キャバクラという風俗店で働く女性たちは、何故だか皆一様に自信に満ち溢れ、
言うならばアイドル気取りでポーズを決めている。

その見慣れない雑誌に映し出されていた、理解し難い光景に大きな疑問符を立てていた私の横から、
そろそろ中堅というほどの年齢にあたるのだろうか、サラリーマンのグループが同じ雑誌を手に取った。
静かな店内でグループは声を上げて会話を始めた。

「この子、チョー可愛くね?」
「こっちの子の方がワカツキチナツっぽくてカワイイな」
「めっちゃイイ女!コウダクミみたいじゃん!今日、ここで決まりだな。場所どこ?」

浅黒い、同じ顔に作られたその女性たちを指して、男たちは可愛いと発した。

イイ女だと発音した。

若槻千夏が本当にイイ女だろうか。
コウダクミとは一体誰だろうか。

そしてこの女性たちは本当にイイ女なのだろうか。

私は改めて思考する。果たして本当のイイ女とは一体何か。
何が美しくて、何が醜いのかを現代社会に再度発信すべく私は思考する。

イイ女とは何か。


  ◆半井小絵 (気象予報士)  
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